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田中康弘氏『山怪』を読んだ話

・はじめに
Kindleで少しずつ読み進めていた、『山怪』田中康弘著・ヤマケイ文庫 を読み終わったので、短めの雑感を。

https://www.amazon.co.jp/dp/4635048721/ref=cm_sw_r_apan_glt_i_NBP1NVD65WSC9B3EZ586

『山怪』は、いわゆる怪異譚である。といっても、オチのないものが大半だ。著者が一般人に聞き取りをして、それを纏めたものだからである。要は、「ちょっと不思議な/怖い思いをした体験談・伝聞」の集積。内容としては、タイトルのとおり山関係の怪談で構成されている。
狐や狸などの化かすモノの話が多かったが、非常に興味深かった。夜に体験した話も多かったが、日中の話も多いのである。私は仕事等で山に入ることもあるので、他人事でない感覚がした。

・「化かされる」こと
これが一番うすら寒い。ちょっと狂乱して落ち着くなら良いが、本の中には帰らぬ人となるパターンも存在した。
本を読んだ限りでも、やはり狐がいっとう化かす。記憶が曖昧で、本にはなかったかもしれないが、イタチも化かすというのを聞いたことがある。本によれば、そういう化かすモノにはニンニクや唐辛子を持ち歩くのが良いとか。こうもうすら寒い思いをすると、今度山にはいる時にはそれらを持っていきたくもなるものだ。

・暗闇の恐怖、山の恐怖
暗闇は怖い。人間の原初の恐怖である。
それが山なら尚更だ。山は、街などと違い、ヒトによって造られたものでは無い。山の中ではヒトは常にアウェーな存在だ。
さて、暗闇に話を戻すが、私は、夜に散歩などをすると、楽しさより恐怖が勝る時が多い。上のちょっとした道をくぐる小さいトンネルなど、特に怖い。電灯はあるが、だから恐怖が薄れるかと言うと、中途半端に薄暗く、逆に恐怖感が増すようにさえ思える。
そして、暗闇の恐怖を助長するのが「孤独」である。片田舎だと、先程のトンネルもそうだが、基本的に夜はヒトがいない。警戒して怖がりながら歩くから、ちょっとした物音や物陰も異常なものに感じる。

・おわりに
書いていて思ったが、こういう怖がりな性格なので、そこに付け込まれてそのうち化かされる事もあるかもしれない。そうならないように十分に灯りのある人工物に引きこもるのである。
最後になるが、『山怪』は薄ら寒くなるが、興味深く良い本だった。3巻ぐらい続きがあるようなので、機会があれば読んでみたい。

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